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ウィーガンドとエネルギーハーベスティング

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IoT

IoT (Internet of Things) 市場の成長は、生産性の向上や新たなビジネスモデルの開拓だけでなく、関連する機器に新たな要件を課しています。要件とは信頼性、精度、自律性、メンテナンスフリーなどです。

IoTの主役はケーブル接続に依存せず、あらゆる場所に設置できるユビキタスなセンシングデバイスです。そのため、環境エネルギーを利用してセンサ技術や無線情報通信を行うエナジーハーベスティング(環境発電)が重要視されています。

ウィーガンド効果によるエナジーハーベスティング

環境発電技術は様々で、それぞれに特徴があります。太陽光発電、熱電発電、RFハーベスティングなどのエナジーハーベスティングの主要なアプローチは、それぞれのエネルギー形態が環境中で利用可能であるかどうかに依存しています。誘導型エナジーハーベスタは、運動エネルギーを利用する方式です。誘導型エネルギーハーベスタの欠点は、非常に低い運動速度では利用できるエネルギーレベルが低いことです。ウィーガンド効果によるエナジーハーベスティングは、機械部品に頼ることなく誘導型エナジーハーベスティングの利点を生かし、低速度での課題を克服しています。

UWB (Ultra Wide Band) 無線技術

Time of Flight測定法の精度とナローバンド無線技術との共存により、驚くほど低いエネルギー消費を実現しています。UWBはすでに多くのアプリケーションで大きな成功を収めています。UWBでは、送信電力は常時電源の周波数ジェネレータではなく、短いパルスによってのみ消費されるため、ウィーガンドジェネレータからのエナジーハーベスティングによって供給される無線センサノードに採用される無線送信技術として優れた候補となっています。

セルフパワーセンサシステム応用例

ウィーガンド効果のユニークな特性を利用して、パルス状の「シングルショット」動作モードでデータ収集、処理、無線伝送を行う回路に電力を供給します。このシステムには、スマートホーム用のドアや窓の開閉センサ、産業用物流の自動化などへの応用が期待されています。また、他の物理的特性を検知できることから、可動部品(ポンプ、風車、タービン、車輪、組立ベルトなど)の近傍での状態監視にも適しています。ケーブルやバッテリ、その他のエナジーハーベスティング技術による電力供給が不可能、あるいは不経済であった状況に、新しいプラグアンドプレイソリューションとなり得るのです。